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2010年09月23日

伊賀焼

先日伊賀に行った時、陶芸のギャラリーに立ち寄り
伊賀焼きの作家、谷本洋氏の作品が展示されていて色々な話をしてきました。

谷本洋氏の父親は現在の伊賀焼きを広めた谷本光男氏らしく
画家から陶芸家に進み幅広く活躍されている人物のようです。

伊賀焼は三重重県伊賀市(旧阿山町)にて焼かれている陶器及び炻器で
中世から始まったといわれる日本有数の古陶で、日本六古窯にも数えられています。

最初は水瓶や種壺、擂り鉢などの日用雑器が焼かれていたようですが、
陶土産地が山一つ隔てた信楽と同じだったため
信楽焼とほとんど区別がつかなかったようです。

その後桃山時代に入ると、伊賀領主となった筒井定次が
茶の湯に用いるための茶壺、茶入、花入、水指などを焼き始めたとのことです。

伊賀焼きの特徴は、一度完成させた物をゆがめたり
火の勢いでわざと割目をつけたりした破調の美しさにあるといわれています。

これは伊賀の七度焼きという言葉があるように(実際に七度焼くことはないようです)
穴窯で焼成する場合、窯内の最も高い所で1300℃ほどの高温になって
(一般的な陶器の焼成温度は1200~1250℃)、粘土の特性や窯の焼成条件などが
重なり亀裂が入ったり形が変形したりする予期せぬ「窯変」が起こり
破調の美が生まれたのだそうです。

「伊賀に耳あり、信楽に耳なし」といわれるように、
耳は古伊賀焼の大きな特徴のひとつであり、その位置と形に
作り手の情念が集約されていて
大胆なへラ目は、その力強さが作品に躍動感を与え、作家の情念を感じる事が出来ます。

豪快な野性美を醸し出す焦げは、窯の炊き口で燃料の松の薪の灰が
積もり積もって器物と接したようです。

燃料の赤松の灰が焼成中に器物に降りかかり、灰に含まれている微量の鉄分が
高温の還元により美しい青緑色のビードロ釉と呼ばれる
自然釉として見られるようになったと言われています。
 
さらに、焼き締まった赤褐色の土肌に吹き出た無数の長石粒と折り重なり
質朴でありながら風流な焼き物を作り出しているようです。

伊賀焼と信楽焼は似ていると言われていますが、
伊賀焼のビードロ(薪の灰が高温の炎で溶けてガラス状になったもの)は透明度が高く
形もヘラ目が大胆で野性的な醍醐味があります。

また、信楽焼に比べて身近で使う食器類や土鍋が多く作られるようになったようです。
  
残念ながら写真は撮影が許されず、作品を紹介できませんが、一見の価値はあると思います。
  
 


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