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2012年08月19日

三大素麺の一つ…讃岐そうめん

夏になると食べたくなるのが「そうめん」と「ひやむぎ」です。
ただ両方とも同じような気がして…何が違うんでしょうか…?
料理方法の違いなのかな?と思いましたが…。

小麦粉を練って縒りを掛けながら引き延ばしたものが「索麺」と呼ばれる「素麺」の起源です。(古代中国の文献に度々出てくる「索餅」が日本に伝わったものとする説が有力らしくその他の説として、南北朝時代に元から禅僧の往来や貿易によって「索麺」が伝えられたものという説もあるそうです)
素麺(そうめん)は、索麺(さくめん)の音変化で、塩水でこねた小麦粉に植物油を塗り、細く引き伸ばして、日に干した麺です。茹でて冷水にさらし、つけ汁で食べます。煮たものは煮麺(にゆうめん)と言います。

これに対し冷麦(ひやむぎ)は、細打ちにしたうどんを水や氷で冷やし、汁をつけて食べるもので、冷し麦とも言います。「ソバ切り」に対して「切り麦」と呼ばれたのが、今で言う「うどん」で、それを熱くして食べるのが「熱麦)」、冷たくして食べるのが「冷麦」です。冷麦は油を使わない切り麺というのが通説ですが、「手延べ素麺」と同様に油を塗りながら縒りを掛けて引き延ばす方法で作る「手延べ冷麦」もあります。また、富山の「大門素麺」のように、油を使わない手延べ素麺もあり秋田の「稲庭うどん」や宮城の「白石温麺」も、基本的には同じ種類です。

このように、ルーツも歴史も全く違うのですが、油を使わないで素麺が作られたことから、現在は「太さの違い」だけになってしまったようです。JAS(日本農林規格)によると、素麺は丸棒状で太さ0.8ミリ~1.3ミリ、角棒状では0.7ミリ~1.2ミリ。冷麦のほうは、丸棒状で1.3ミリ~1.7ミリ、角棒状で1.2ミリ~1.7ミリと決められていて、これ以上太いのが「うどん」と総称されているようです。

素麺は日本国内では奈良県桜井市が発祥の地とされていて、奈良時代に唐から伝来した唐菓子の一つ、索餅(和名で「麦縄」とも書く事もある)に由来したと言われています。また室町時代は、茄でて洗ってから蒸して温める食べ方が主流で、「蒸麦」や「熱蒸」とも呼ばれていたようです。さらに、江戸時代には、七夕に素麺を供え物とする習俗が広まったようで、これは、細く長い素麺を糸に見立てて裁縫の上達を祈願したものだと言われています。

三大素麺の一つ…讃岐そうめん

日本国内では近世より西日本を中心に素麺生産が盛んだったようですが、これは原料となる小麦、水(軟水)、食塩(海水塩)の産地が近かったことが一つの理由ではないでしょうか…?

「日本三大そうめん」といえば、①播州素麺(兵庫県)、②三輪素麺(奈良県)、③小豆島(香川県)と言われていますが。三輪素麺は、最も「素麺つくり」の歴史が長く全国に分布する素麺産地の源流でもあり、全国の素麺の相場は、三輪で決められていたようです。(私的には奈良の三輪素麺、兵庫の揖保乃糸、小豆島の島の光が好きな順番です)

讃岐うどんと比べると陰が薄いですが、讃岐の素麺は、実は日本三大素麺のひとつなのです。
まるで絹糸のような のどごし。夏の涼味の代表格・讃岐そうめん

播州素麺…主産地は兵庫県たつの市、宍粟市、姫路市など。現在、日本国内1位の生産高を誇る。播磨地方の良質の小麦、揖保川の清流、赤穂の塩など原料に恵まれていたことから素麺作りが盛んになったと云わっています。(ブランドは揖保乃糸)

三輪素麺…奈良県桜井市三輪地区。最も素麺作りの歴史が長く、全国に分布する素麺産地の源流は殆どが三輪からであり、古く素麺の相場は三輪で決められていました。(かつては綿花の産地に近かったため、綿実油を使って延ばすのが特徴です)

小豆島手延べ素麺…香川県小豆島が産地。酸化しにくい胡麻油を使って延ばす。島の光、瀬戸の風などのブランドがあります。 

その他の素麺産地… 

島原素麺(長崎県島原市)…全国で2番目の生産量を誇り、江戸時代に救荒作物として栽培が奨励され品質に優れ、古くから三輪に供給されていて、近年になってブランド力を高めています。 

半田素麺(徳島県半田町)…他の素麺より太いのが特徴です。

淡路素麺(兵庫県淡路市)…漁師の冬の副業として広まりましたが、他の産地におされて製麺業衰退し、現在は数少なくなりました。寒冷な季節に、昔ながらの製法で大量生産せず、2日行程で生産していて、太さによって、淡路糸、御陵糸、おのころ糸の商品名があります。技法を生かしたご当地グルメとして、淡路島ぬーどるが開発されました。

大門素麺(富山県砺波市)…延ばす際に油を用いないのが特徴で、一般的なまっすぐの束ではなくワイヤー状になっています。

南関素麺(熊本県南関町)…麺が非常に細いのが特徴で、北原白秋が白糸のようだと形容したようです。将軍家、明治天皇などに献上された歴史を持ち、昔ながらの手延べ製法を守っているところが多くあるようです。

備中素麺(岡山県浅口市)…鴨方素麺、かも川素麺とも呼ばれる。古くから「麦切り」という麺類の一種が朝廷に献上された歴史を持っています。播州と同様に、良質の塩と水、小麦などの原料が揃っていたことから一大産地に成長しました。また、同産地では手延べうどん(備中うどん、鴨方うどん)も生産しています。

神埼素麺(佐賀県神埼市)…生産量は多く(機械麺において日本国内3位)機械製麺の発祥地で、真崎照郷が、素麺の製麺を手延べから機械化する事を思い立ち鉄工場を始め、製麺機を発明した事に伴いそれ以降は機械製麺が発展したそうです。独特のコシの強さで知られ、冷して食するほか、温めて食べる「にゅうめん」でも有名。

卵麺(岩手県盛岡市および奥州市一帯)…卵黄と小麦粉を混ぜて麺を延ばす黄色い素麺。水分をあまり含まないため伸びにくいのが特徴です。

五色素麺(愛媛県松山市)…伊予節にも歌われた名物で、白に加え、赤(梅肉)、緑(抹茶)、黄(鶏卵)、茶色(そば粉)の五色があります。

大矢知手延べ素麺(三重県四日市市大矢知地区)…冷や麦の産地として知られていますが、江戸時代から続く素麺産地でもあります。ミネラルに富む朝明川の水と鈴鹿山脈の颪によって麺作りに適した気候となっているようです。

稲庭素麺(秋田県湯沢市稲庭町)…稲庭うどんと同じ製法で作られる寒晒しの手延べ素麺。油は用いないのが特徴。

白石温麺(宮城県白石市)…長さ10センチメートル程度の短い麺で、稲庭素麺と同じく製造に油は用いない。

三春素麺(福島県三春町)…明治初期に一度廃れたが昭和後期に復活し、それ以降に作られている麺の形状は平麺となっている。

和泉素麺(愛知県安城市)…麺が乾燥する前に手で伸ばして生麺状態に戻す"半生もどし"という独特の製法(素麺以外では比較的よく用いられる)で知られ、腰が強い。また、他産地の素麺はだいたい冬場の寒風に晒して干すのですが、この半生もどし麺は主に夏場に作られ、三河湾から吹き付ける湿った風を利用しています。麺の長さは2メートル近くもあり、一丈麺と呼ばれています。

 
衰退した素麺産地
小川素麺(埼玉県)…小川和紙が隆盛した事に伴い、素麺生産していた家々が徐々に和紙生産へと転換し衰退。
久留里素麺(千葉県)…良質の水に恵まれ、江戸幕府にも献上された歴史を持つ一大産地だった。
輪島素麺(石川県)…大門素麺は輪島素麺に勉強に行って発祥したと言い伝えがある。いわば大門素麺の祖先。
河内素麺(大阪府)…近代に至るまで隆盛を極めたが、都市化や環境の劣化に伴って次第に衰退。自家消費での生産がわずかに残るだけ。
灘素麺(兵庫県)…三輪から技術を伝えられ魚崎地方を中心に発展し、江戸時代には上方の代表産地として名を馳せたが明治時代後期から都市化などで急速に衰退廃絶した。後に、灘素麺の技術は播州、鴨方など他産地に伝播したようです。
  


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