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2019年04月29日

寿司と落語…寿司屋水滸伝(柳家喬太郎)

皆さん連休楽しんでますかニコニコはてな
今日は少し話題をかえてにっこり私の大好きな落語のお話でも…OK

落語に寿司を題材にした話があまりのありませんがどうしてでしょう!?
それは、寿司の歴史を考えると、古典落語の題材となっていない理由がわかると思いますひみつ

寿司と落語…寿司屋水滸伝(柳家喬太郎)

発酵させる鮓の歴史は古いですが、酢飯を使った寿司は江戸初期で、握り鮨は幕末となります。ただ当時の鮨は、座敷で食べるような料理ではなくて、立ち食いの屋台で庶民が食べるファースト・フード感覚です。握り鮨が現代のような座敷で食べるご馳走の感覚で捉えられるようになったのは戦後になってからです。

鮨が出てくる有名な文学作品は、志賀直哉の「小僧の神様」で大正9年の作品ですが、ここで描かれているのは、握り鮨ですが、まだ立ち食いの屋台です。次郎長伝の石松三十石船で描かれている「あんた江戸っ子だってね、食いねぇ、鮨を食いねぇ」という名台詞は、昭和に入ってからの広沢虎造の脚色・創作になります。

戦後の落語黄金時代の正統派と言われる古典落語においては、戦後の新しいご馳走と捉えられる「握り鮨」はむしろ排除されたのでないでしょうかはてなもちろん、戦後と言われる時代が終わって握り鮨が一般のご馳走になった後に、噺の中に「握り鮨」を脚色・創作して演じた噺家も少なくないと思いますし、今となっては、「握り鮨」が戦後の新しいご馳走という感覚が薄れて、江戸や明治という古典落語で描かれている日常生活の中に「握り鮨」が登場しても不自然さを感じる人は少ないことと思います。

「蕎麦や鰻と違って、鮨は新しい食べ物」というのが、鮨を題材にした古典落語が少ない理由だと思いますひみつ

そんな中で、すしを題材にした落語を2作紹介しますまるっ

寿司と落語…寿司屋水滸伝(柳家喬太郎)

柳家喬太郎師匠のの新作落語「寿司屋水滸伝」ですナイス
【粗筋】
洋食の修行をした息子が、父に勘当すると脅されて寿司屋になるが、オネエ言葉で店の活気もなく、寿司職人が残らず辞めてしまう。主は全く握れず、仕方なく炒飯の握りを出すので、客がとうとう怒りだし、「マグロ一つも握れねえで、何が寿司屋だ」といわれて困っていると、他の客が出てきて、「マグロなら任しておきねえ」 と手伝ってくれた。トロ切りのマサと名乗るこの男、見事な包丁さばきで客を満足させる。この人を雇って一安心したのも束の間、イカを注文されると、「あっしはマグロ以外は扱ったことがねえ」と言い出す。これも他の客が助けてくれたが… こうして40人の握り手が並び、客より店の人間の方が多くなる。

人件費がかさんでつぶれてしまい、本職の洋食屋を始めたが、カツカレーをまずいと言い出した客が、カツの揚げ方を教え、これだけのダメージを受けたのだからと慰謝料まで要求される。「あんたはいったい誰なんです」「トンカツのヒデってんだ」「あ、道理でカツアゲがうまいわけだ」

【成立】
柳家喬太郎の作品。2004年までは真ん中で「客より店の人間の方が多いという…寿司屋水滸伝の発端でございます」と切っていた。同じ演り方で柳家権太楼が演じたのも聞いた。その後の独演会で粗筋のような長編を演じているが、タイトルから考えると、後でカツが加わったのだろうか…はてな

寿司と落語…寿司屋水滸伝(柳家喬太郎)

【薀蓄】
「すし」は元来は「酸し」で、魚の腹を割いて塩漬けにしたものを、飯と交互に樽に入れ、半年から1、2年熟成させて食べるもの。琵琶湖の「鮒(ふな)ずし」に残る。19世紀に入る頃、江戸深川にあった松ずしや、両国の与兵衛ずしが「握り」を発明して大流行した。間もなく大阪でも、戎橋(えびすばし)南の「松のすし」という店が握りを売るようになった。

江戸前というのは東京湾で取れるアジやコハダ等の小魚で、江戸といえばコハダというのが常識。寿司その物を「コハダ」と言ったのが地方に伝わり、仙台で「コハダ」と言っているが、採れるはずがないと「やくたい草」(明治6年)にある。

マグロなどは脂肪分が多くて敬遠されていた。戦前までは大トロは最低の物としてほとんど捨てられていた。落語「やかん」では知ったかぶりが「真っ黒だからまっぐろ、マグロになった」と言っているが、実際に「大言海」などにはそう載っている。もう一説は「目が黒い=マグロ」で、どちらにしても「クロ」は色を指すらしい。

明治の初期、東京の寿司屋が、近所の鉄火場(てっかば:博打場)から注文を受け、博打の最中に手に飯がつかないものをと頼まれて考案したのがマグロを海苔巻きにしたもの。博打場で食うから鉄火巻きという名になった。英国で18世紀の政治家ジョン・モンターギュが同じようにしてパンで肉などをはさんだものを用意したため、彼の俗称のサンドイッチ男爵から命名されたというのとよく似た逸話。

一方では、マグロの身をくずして使うことから、身を持ちくずす博徒になぞらえて命名されたという説も。
烏賊(いか)の足を「ゲソ」というのは芝居や寄席の「下足」から出たもの。「イカ」という名は「形がいかめしいから」と載っている本が多いが、「い」には発音上ついたもので、腹の甲殻を「か」といったのだという説の方が説得力がある。漢字で「烏賊」とするのは、海面で死んだふりをして烏をおびき寄せ、逆に捕って餌にするからといわれる。私は漢字の元の意味から、烏賊の出す墨の色を表したものではないかと思う。

胡瓜の「カッパ」は、もちろん河童が好物としているから。貝を二つに開いたものを「鞍かけ」というのは、馬の鞍を乗せるのに形が似てい
るから。「蛤」というのは「浜にある栗」、「浅蜊」は「浅い水に住む貝」という意味だそうだ。

「バッテラ」はポルトガル語で「ボート」の意味の「bateira」をとったもの。船の形の枠に入れてつくることから。
ついでに「イクラ」は「魚の卵」という意味の「ikra」、ロシア語だそうである。以外なのが「海老」。何と「葡萄」の古名と同じ。色が似ているかららしい。

ついでに「助六」は、助六の恋人揚巻の名前から取ったもので、「揚げ(いなり寿司)」と「巻(海苔巻き)」が入っている。粋な名前の付け方だねえ。

そしてもう1つの作品は、寿司屋の炬燵(すしやのこたつ)ですニコニコ
【粗筋】
寿司屋が炬燵で娘の手を握ったが、間違えて母親の手を握ったらしく、母親がこちらを向いてにっこり。
「いけねえ、青柳ととり貝を間違えた」
【成立】
貝の種類が分からない人は寿司屋で比べてみよう。

長くなりましたが寿司と落語の話はどうでしたかはてなにっこり


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