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2012年09月26日

南伊豆伊勢海老解禁

静岡県南伊豆町の各漁港で、先週末、伊勢海老が初水揚げされました。県内の伊勢海老漁は16日に解禁されましたが、台風の影響で波が高く、これまで休漁が続いていたのです。私も様子を見に(買い付けをかねて)稲取まで行って来ました。体はまだ小さめでしたが、今年も海水温が高めで豊漁が期待できそうです。漁は10~11月に最盛期を迎え、来年5月まで続きます。  

南伊豆伊勢海老解禁
  
伊豆半島の伊勢海老は流れの速い海域に住んでいるため、足が太くしまった身、プリプリとした食感と伊勢海老独特の風味・ダシ・旨味が際立っているのが特徴です。(解禁後、9月から12月までは勿論のこと、禁漁時期も養殖問屋さんと年間契約の話が出来、比較的安価にて仕入れできますので、皆さんにはお得な価格でご提供できるようになりました)

南伊豆伊勢海老解禁

伊豆半島はもとより三重、千葉、淡路島など全国各地からそろえられた数百キロの伊勢海老です。
伊勢海老漁…漁期は10月から4月にかけてで、5月から8月の産卵期は資源保護を目的に禁漁としている地区が多く、宮崎県では9月2日から漁が始まり、3月末までが漁期です。



名前の由来」伊勢海老という名の語源には様々な説が存在します。
単純に伊勢が伊勢エビの主産地の一つとされていて朝廷に多く献上したことから、「伊勢から来る海老」といことで、「伊勢海老」という説もありますが、磯に多くいる海老が「磯海老」と呼ばれ、それが「伊勢海老」となったのでは?という説もあります。また、伊勢エビが太く長い触角を振り回し、姿形が鎧をまとった武士を連想させることから「威勢が良い海老」ということで、「伊勢海老」となったという説もあります。

伊勢海老は、熱帯域の浅い海に生息する大型のエビで、日本では高級食材として扱われます。古くから日本各地で食用とされていて、鎌倉蝦、具足海老(ぐそくえび…海老の甲羅を鎧兜に見立てた呼び方)などとも呼ばれていました。

江戸時代には、井原西鶴が、江戸や大阪で諸大名などが初春のご祝儀とするため伊勢海老が極めて高値で商われていた話を書いています。さらに、海老が正月飾りに欠かせないものであるとも紹介されていて伊勢海老を正月飾りとして用いる風習は現在も残っています。(地方によっては正月の鏡餅の上に載せるなど、祝い事の飾りつけのほか、神饌としても用いられている)

伊勢海老は姿造りなどで供されることから、流通時には他の食用海老に比べて姿形が厳格に評価されます。「角」と呼ばれる2本の触角や、脚が破損すると商品価値が下がってしまうため、漁獲時には慎重に扱われます。また、ショックを与えると自切するため、輸送中に脚が脱落することもあり、取扱には充分な注意を要します。角の折れた海老や小型の海老が市場に出荷されることは少ないのですが、そうした海老も調理して利用しないと…。

その昔、洋食の世界ではエビフライの海老は伊勢海老だったとか…?(だからエビフライは最も高価な品書きだったようです)当店では、この伊勢海老のフライもお手頃価格で提供します。その他にも、各種伊勢海老料理をご用意しています。…こちらは、後日紹介します。
 
こぼれ話…日本国内では制限はありませんが、アメリカの一部の州では、最初の包丁の入れ方に制限を設けているところがあるそうです。海老の甲を左右に分断する形で切断しないと、動物愛護に関する州法等の法令により罰則が科せられる場合があるとのこと…ひみつ
これは、海老の脳を切断する形でないと海老に苦痛を与えるということによる罰則だそうです。
加熱調理する場合は日本国内でもこの形で切断することが多いのですが、これは切断後に身が取り出しやすいためだからです。

南伊豆伊勢海老解禁

伊豆半島東海岸にある稲取港は、金目鯛の水揚げ日本一の町として知られています。旬は冬ですが、産卵後の6~7月もとても美味しい時期です。釣りたては腹が銀色に輝き、空気に触れると目は金色に、体は赤く染まっていきます。その魚肉は白身で脂に富んで大変美味です。お刺身をはじめ、当店自慢の甘くこってりと煮付ける金目鯛の煮魚も一緒にお召し上がりください。


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Posted by きくいち at 08:01│Comments(0)旬の魚

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